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about 「スップリ」

“surprise(サプライズ)”は、ご存じの通り「驚いた」や「びっくり」という意味の英語です。実はフランス語でも、発音は異なりますが同じ意味で使われています。やや強引にカタカナ読みすると「スプリ」となります。

ナポリやシチリアを含むローマ以南の代表的な郷土料理の一つに、「アランチーノ/アランチーナ」というライスコロッケがあります。トマトソースやブロード、水で炊いたお米を、コロッケのようにボール状にして揚げたものです。南イタリアでライスコロッケが普及した背景には、かつてこの地域を支配してたアラブ人たちが、米を使った料理を持ち込んだ影響だと言われています。

そんなライスコロッケが、ローマではなぜか「スップリ」という名前が付いています。

その理由には諸説あるようですが、最も有力なのが前出のフランス語の「スプリ」説です。クラシックなタイプの「スップリ」は、ライスボールの中心にモッツァレラチーズが仕込まれています。そのためボールを二つに割るとチーズがビューンと糸を引いて、あらびっくり!!。「スップリ」を食べたフランス人が、思わず“surprise(スプリ)!!”と言ったことから、「スップリ」と呼ばれるようになったとか。

また「スップリ」は、両手で二つに割った姿が昔の電話(声を聞く受話器と話しかける送話器が線でつながっているタイプ)に似ているため、“Suppli al telefono(電話風スップリ)”とも言われています。さらに最近では、お米の代わりにパスタを使った新種の「スップリ」もポピュラーになりつつあるため、それらと区別するために、お米を使った「スップリ」を“Suppli classico(クラシックなスップリ)”と呼ぶのが一般的なようです。

「スップリ」は、「ピッツァ・アル・タリオ」同様、ローマっ子に親しまれているストリートフードの一つ。そのためか、ローマの切り売りピザ店の多くが「スップリ」も販売していました(写真は有名なガブリエーレ・ボンチさんのお店「Pizzarium BONCI」のピザとスップリ)。

ローマの切り売りピザカルチャーをリスペクトするBISKEROでも、クラシックなタイプやパスタを使った進化系の「スップリ」も提供しています。指先に油が付いちゃいますが、ぜひ熱々を両手でパカッと割って“surprise(スプリ)!!”してみてください。